■■ジャンプやアニメ・漫画などの感想・考察■■

この文章を目にしている時点で、我々は生きていることになる。
この文章を目にして何かを思った時点で、我々は生きている。
自分が生きているということを認識するのは、そう難しくない。

ただ・・・

「何故生きるのか」という問いに対して、明確な答えを持つことは容易ではない。

何のために生まれて、何をして生きるのか、答えられないなんて、そんなのは嫌だ。
こう歌ったのは、某子供向けアニメだったか・・・

この問いに答えられる人が、果たしてどれだけ居るのだろう。


さて自殺島ですが、この難題に対して一つの明確な答えが出てきそうな予感がします。
人の数だけあろう生きる理由、そのうち明確な一つが示されそうな期待を抱かずには居られません。


自殺未遂の常習指定を受けている人物「セイ」が、この物語の主人公です。
個人の意志により生きる権利を破棄できる国で、その権利を破棄したところから物語が始まります。

100717全てをやめる
どうでもいい 僕は、ただやめたいだけなんだ
自分も、社会も、生活も、家族も、肉体も、欲望も、すべて…


「これで自分をやめることができる」
負の安心が身を包み、彼は深い眠りに落ちていった。

気がついたら、彼らはある島に送り込まれていた。
国が殺人を推進することは出来ないため、生きる権利を破棄した者を全て島流しにしているという。
ネットで噂として流れていた、自殺者が送り込まれる島「自殺島」に。

早速、新しく送りこまれた彼らを歓迎するかのように降ってくる、人、人、人。
目的を果たすのに十分な高さからのも居れば
全く不十分であるものも居ました。

それらを見て、死を決意するもの。
決意を実行するもの。
主人公の周りで自分を終わらせるものが増える中、ある思いが主人公に募っていきます。
「自分を終わらせることは、何かが違う」

この「自殺島」での生活を通じて、主人公は「何故生きるのか」に興味を引かれていく。


やや私事ですが、「夢」に対して昔から違和感を覚えることがありました。
大きくなったら何になりたい?
この言葉が、人生をどれだけ狭めているのかと考えてしまいます。
ロマンティックなほど広いこの世界を、一つの職業に納めてしまう言葉に聞こえてしまいます。
自分の考えが歪み過ぎているのでしょうか?

主人公であるセイも、似たような思考の持ち主なのかも知れません。

100717やりたいこと
何も答えられなかった
僕には何もなかったから


弁護士だとか、宇宙飛行士だとか、警察だとかではなく
ただ自分で居たかった。

・・・しかしそれを社会が許さなかった。
持つものと持たざるものに分けられ、持たないものは負けである、と。
負けたら生きている価値がない、と。

何故人間の世界はこれほどに醜く、辛く、生きづらいのか。


あるときセイは、生きた鹿を目撃します。

100717何故鹿は美しい
生きるために食物を求め走り…泳ぎ、飛ぶ
陽光を浴び、満ち足りれば眠る… 皆…生きる為に生きてる


ただ生きているだけの彼らは、なんときれいで美しく、なんと力強いのか。
島の鹿たちとのやり取りで、セイは様々なことを学んでいく。


セイの周りで終わっていく人たち、生きているだけで美しい鹿たち。
それらとのやりとりの中で、セイはある疑問に対する答えが見えてくる。

100717何故生きるのか
何故、生きるのか


私は死にかけた事があり、その時から人生には時間の限りがある事をはっきりと認識した。
死を認識する事で、見えてくるものもあるのではないか。
死を認識し、生を活かすこと。生きる事。
そういう物語を描きたいと思った。
by第1巻巻末、森恒二



この作者は、主人公の名前に深い意味を持たせます。
主人公の名前「セイ」にこめられた意味とは・・・?
この辺りに着目して、今後も物語を追っていこうと思います。




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