■■ジャンプやアニメ・漫画などの感想・考察■■

直接目に映る漫画の要素は、大雑把に分けて「絵」「文字」があります。

この中の「文字」による論理を相当なレベルで追及している福本先生の作品。

その作品のスタイルに魅了されている人は、相当に多いのではないでしょうか。


福本先生の作品には、一貫したテーマがあります。

■週刊少年『福本伸行』テキスト起こしかーずSP

このインタビューの中でのやり取りの中で、福本先生は以下のように語っています。

Q68:読者に伝えたいメッセージは?
福本「自立でしょうね。『自分だけで生きていこうぜ』っていう。」



福本先生の作品を全て読んでいるわけではありませんが

自分が読んだ作品には、確かに全てこのテーマが共通して語られているように思われます。


また、自立というテーマを描くにあたり必須とも思われる「仲間との絆」。

これも作品により様々な描かれ方をしています。


この記事では、いくつかの作品の「自立」と「仲間との絆」の描写について記述します。


■■■天 天和通りの快男児■■■

初期の頃の作品である人情物から、現在のギャンブル物へと移行した作品です。

ですのでこの作品の初期では、現在の作風からは思いもよらないような

所謂人情的な描写があります。


主人公の知り合いの1人が、子供の居る家にほとんど帰らず毎晩どこかに寄り道をしていた。

それを見かねた主人公がそのあとをつけてみると・・・

圧倒的クリスマスツリー
圧倒的クリスマスツリー・・・!!

彼はどうやら、子供のために内緒でクリスマスツリーを用意していたようです。

この頃は、「自立」というテーマがほとんど見えないように思えます。


しかしながら、少しずつテーマが見え隠れするようになり

後に別の作品で主人公となるアカギが登場するようになると、テーマがはっきり見えてきます。

そもそもアカギ自体が自立の塊みたいなものですし。

アカギ不本意と仲良く
不本意と仲良くすること・・・
そんな生き方が好きだった・・・


不本意と仲良くし、成功が積みあがればそれを崩し、まさに自分の自由に生きてきたアカギですが

その周りには絶えず信頼できる仲間が、最期まで居ました。


■■■銀と金■■■

未完という形で終っている作品です。

しかしながら、この作品が福本先生の中で一番好きだという人は多い気がします。


平井銀二の、人としての・悪党としての魅力。

それに魅せられた森田鉄雄。

そして・・・

森田引退宣言
足を洗う・・・
引退するということです・・・!


平井銀二からの独立。

この後、本当だったら銀二と森田を戦わせるつもりだったらしいのですが
参考記事:「オトナファミ」福本伸行インタビュー:『銀と金』について黒い天使のブログ

カイジの連載が始まるということで、銀二と森田は決別したままとなっています。

自立の末、森田がどのようになったのかということは残念ながら描かれていません。


しかし福本先生は再開についての考えもあるようで

その中では銀二と独立した森田の戦いが中心に描かれるようです。


■■■賭博黙示録カイジ■■■

限定ジャンケン・鉄骨渡り・Eカード・くじ引き、の4つの勝負が描かれています。

うち限定ジャンケンでは、仲間の裏切りについての描写があります。


最後は、敵のボスである兵藤とのくじ引き一騎打ちが描かれます。

カイジはその一騎打ちに負けてしまうわけですが

カイジ黙示録
頼るものなどない・・・と
骨身に染みて・・・知っていたはずなのにっ・・・!


その敗因として、自分に拠るのではなく神に祈ってしまったということが挙げられていました。


■■■無頼伝 涯■■■

週刊少年マガジンで連載されるも、残念ながら1年で打ち切られてしまった作品。

個人的には物凄く好きなのですが・・・


この作品の中では、自立というテーマが明確に語られています。

そもそも作品のテーマが無頼ですし、作品の中では主人公が明確に自立を求めています。

そして最後のコマは

涯孤立せよ

まさに直接的な描写でした。

打ち切りという形でなければ、仲間との絆と関連してより深く描かれていたのではないでしょうか。


■■■賭博破戒録カイジ■■■

カイジの第2章目ということになるのでしょうか。

この作品は2部構成となっており

1部はチンチロの勝負を通して、第3章につながる仲間との絆を描いています。

2部ではパチンコの勝負を通じて、仲間との絆と・・・

カイジ沼

仲間の裏切りを描いています。

最後の最後に仲間から借りたお金の金利が暴利でした。


自立とは逆のアプローチですが、信頼できる仲間を作る難しさが説かれているように思えます。


■■■賭博堕天録カイジ■■■

ずっと17歩ゲームという、変則的2人マージャンをやっています。

心理描写を緻密にするゆえのストーリー進行の遅さが目立ってきています。


この作品では

カイジ堕天
あんたが裏切らなきゃオレたちだってこんなこと・・・
しやしなかったんだっ・・・!


前作で描かれていた仲間の絆が、虚しくも崩壊しています。

しかしこの作品ではカイジは彼らを見切り、珍しく大金を手にしたまま勝利を手にします。

カイジという作品では、彼の自立が勝負の鍵の一つになっているとも言えるようです。


■■■■■■■

いくつかの作品について、自立と絆という2つを中心として解説しました。

これらの中で自立というテーマについて

一番直接的に描かれているのが「無頼伝 涯」、絆を中心に描かれているのが「カイジ」です。

また、現在マガジンで連載中の「賭博覇王伝 零」でも

カイジと同様の傾向が見れるのではないかと期待しています。

単行本の7巻まで読んだところ、仲間との絆が強調されて描かれています。


今後もし福本先生の作品を読む機会があれば

「自立」と「絆」というキーワードを頭に入れて読んでみてください。



参考記事:
「カイジ」の連載が始まった頃の福本伸行インタビュー記事(’97)いけさんフロムFR・NEO RE
インタビュー:福本伸行「序盤で“ダメさ”を描いておこうと」(最強伝説黒沢)Walkerplus


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